エントランスの”白いの”

ウニ

2011年07月25日 08:06

みなさん、
今日はやぎのお別れ会へのご訪問ありがとうございます。

ご案内は、
前回に引き続き、
知る人ぞ知る、知らない人は誰も知らないでお馴染みの
裏方スタッフかーんとぅです^^

なるべく簡単にまとめようとしたのですが
やっぱり想いでが多すぎで
何回かに分けてアップすることにしました^^

やぎのことを知ってもらって
こういう猫がいてたんやなと思っていただけるだけで
やぎはおもっきり幸せだと思うんです。


ではでは。
早速、やぎのお別れ会の開催です。




~出会い~
「 エントランスの”白いの” 」


(”白いの”と呼ばれた時。スクーターの上で仮眠中)


8年前の11月の大阪。
とあるマンションのエントランスのマットに
一匹の白ねこが猫座りしていました。

その白ねこは、とにかく人懐っこくて
早朝から人通りがなくなる夜中まで
忙しく通りがかる人達にニャンニャンと愛想をふりまきながら
エントランスから離れようとしません。

事情通の
マンションの掃除のおばちゃんに聞くと、

”このコは3階で飼われてたんやけど、
 そこの家に上等なブランドもんの猫が来たもんやから
 このコは捨てられたみたいなんよねぇ~

 で、このコはそういうことわからんから
 毎日、その家の玄関先まで行ってニャンニャン鳴くんやけど
 その家の奥さん、知らん顔して無視するんよね。

 それでもこのコは、その奥さんが大好きらしく
 こうしてエレベーターから降りてくる奥さん待ってるわけやねん。

 でもエレベーターで降りてきた奥さん見つけては
 また嬉しそうにニャンニャンすり寄っていくんやけど
 結局また、また無視されるんやで...
 
 ホンマかわいそうなコやわ... ”


そんなエピソードが広まっていくにつれ

いつしかマンションの住民に
”白いの”と名付けられた白ねこは

ボランティアで猫缶持ってやってくる
エサやりさんに食べさせてもらいながら

このエントランスが住まいとなって
新しい家族に出会うべく毎日毎日、
就職活動をすることになりました。

僕が出会ったのは
この就職活動が始まって
一か月ほどした頃だったと思うんですが、

その頃、夜遅く帰ってくることが多かった僕は
毎日、決まって夜中にエントランスで
ポツンとひとりで猫座りした”白いの”と一緒に

”白いの”はウニからもらった猫ジャーキーを食べながら
そして僕は缶ビールを飲みながら

しばらくその日あったことを
お話するのが日課となっていったわけです。


その時、僕も含めて
”白いの”を知るすべての人が思っていたであろうことは

”これだけ人懐っこいねこやねんから、
 そのうち誰かが飼ってくれるんちゃうの?”


しかし、
忙しい都会に暮らす人の関心は
どうも長くはもたないようです。

結局誰も連れて帰る様子もなく
そのうち”白いの”といって声をかける人も少なくなり

マンションの住民にとっては
エントランスに座りつづける”白いの”が
日常のよくある見慣れた風景となってしまいました。



...なんかかなりやばい雰囲気です。。。



大阪も11月も下旬になると
かなり寒くなってきています。

みんなが黙認しているとはいえ
猫が嫌いな人もいるでしょう

さらには
もうすぐ12月。師走です。

となると
保健所に連れさられる匂いがバンバンするし...


そんなある日の深夜。


その日は激しく雨がふってとっても寒い夜でした。


今日みたいな日は
さすがにどっかに避難しとるやろうな~~

と思ってエントランスに行ったら

ずぶ濡れになって震えながらも
いつものようにちょこんとマットに座っていました。。


”おいおい。白いの大丈夫かあ?”
と声をかけると

”白いの”は震えながらも
僕だとわかると

”ニャンニャン”言いながら嬉しそうに駆け寄って
僕の足にスリスリしてきたんです...



そんなことがあって
たまらんようになった次の日の晩

ウニと一緒に”白いの”の様子を確認すべく
いつもいるエントランスに行ってみると
そこにはいません。


不安になってあたりを探してみると

仮眠場所らしい駐輪場のスクーターの上で
寒そうに丸まっていました。


声をかけてやると
とっても嬉しそうにニャンニャン鳴きながら
僕たちの周囲をゴロゴロ、ゴロゴロ、スリスリ、スリスリ。。

近くのベンチに腰かけて

ジャーキーあげると
また嬉しそうにゴロゴロ、ゴロゴロ、スリスリ、スリスリ。。


そうして
しばらく喉を鳴らしていたと思ったら
おもむろに立ち上がって、僕らをどっかに案内しようとします。


”?”と思いながらもついていくと、

そこは”白いの”が水飲み場としているらしい
マンションの庭にある池でした。

”見ときや~~、こうして飲むんやで~~”
とばかりに僕らをチラチラ振り返りながら

その池の水を飲んで見せる”白いの”...


どうやら僕らのことを
新しく野良猫になった仲間と思って
水飲み場を案内してくれたようです^^


その姿が可愛くて可愛くて。。


「このコは”やぎ”やな♪」とウニが言いました。
「白いから”やぎ?”ってか?ベタな名前やのぉ~~♪」と僕。。


どうやら僕もウニも
今日様子を見にきた時から

”白いの”を連れて帰るつもりだったようです。



こうして”白いの”は”やぎ”となり

僕たちの大切な家族となりました。



(家に来て、最初のお風呂に入ってさっぱりのやぎ)




~続く~


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